耳鼻咽喉科の話

花粉の話(1)

ある調査では10人にひとりが花粉症であるという結果が出ているといわれるほど、今や花粉症は国民病の様相を呈しています。

以下の症状は「花粉症の四大症状」と言われています。

  • 1)発作性のくしゃみ
  • 2)鼻みず
  • 3)鼻づまり
  • 4)目のかゆみ

ほかにも全身のかゆみ、頭痛、発熱、イライラ、不眠、肌荒れなどがあり、腹痛、下痢などが起きることもあります。

治療法としては、以下の4つがあります。

  • 1)抗原の除去
  • 2)減感作療法
  • 3)対症療法
  • 4)手術療法

1)と2)は原因療法、3)は薬物療法と言われます。それぞれに体質や状況によって合うものと合わないものがあるので、医師と十分相談のうえ治療にかかる必要があります。花粉症かなと思ったら、早めに耳鼻咽喉科の医師に相談し、適切な処置を取り、生活上の支障を最低限に抑えて気持のよい暮らしを守りましょう。

耳鼻咽喉科の守備範囲

お医者さんの守備範囲ってなかなかわかりにくいものですね。お腹が痛くなったら内科、怪我したら外科、歯がおかしくなったら歯科...。それでは耳鼻咽喉科って・・・耳、鼻、のどがおかしいと思ったらいくところ? いいえ、それだけではありません。

耳鼻咽喉科は、人が健全に生きる上で大切な耳、鼻、のどのほか口や首、気管、食道に関する疾病や機能の異常を扱っているところです。こんなにたくさんの場所の疾患を扱っている理由は、これらがみんな枝のようにつながっており、それぞれが密接な関係にあるからです。ほかにも音声言語障害、嚥下障害、平衡機能障害(めまい)、顔面神経、唾液腺、甲状腺の異常などについて扱っています。

耳鼻咽喉科の守備範囲はこんなに広いのです。首から上はほとんどといってもいいでしょう。ですから頭頚部科とも呼ばれます。首から上で気になるところがあれば、まず気軽に耳鼻咽喉科に相談してみてください。

耳鼻科の治療の2割に利用-ネブライザーの話

鼻やノドの調子が悪くて耳鼻咽喉科へ行ったことのある人なら、ガラスやプラスチックの器具から噴き出す霧状の薬剤を鼻やノドの中に通した経験があるでしょう。ポンプが動いている間は、これを鼻に突っ込んだり口に当てたまま神妙な顔をして待っているだけ...。

この器具がネブライザーといわれるものです。形は二つの丸いプラスチックの部分をゴム管でつないで鼻先をつけたり、プラスチックの先に吸入用のカップをつけたりしてあります。プラスチックの部分に注入された薬がポンプで送りこまれる空気の力で細かい粒子となって噴出し、霧状になった薬は副鼻腔や喉頭、気管支の中まで送りこまれます。

急性・慢性の副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、急性・慢性の喉頭炎や喘息などの治療法として定着しており、使われる薬は主に感染を抑える抗生物質やアレルギーを抑える抗アレルギー剤、腫れを抑える薬などになります。いまでは耳鼻科で行われる処置の1/5を占めるまでになっています。

超音波を薬液に伝え、微粒子にする超音波ネブライザーもあります。

8月7日は「鼻の日」です。

昭和36年4月に日本耳鼻咽喉科学会が「明るい頭脳は健康な鼻から」ということから「鼻を大切にしましょう」として、8(ハ)月7(ナ)日の日と定めました。今でいうキャンペーンのようなものですね。

皆さんが考えているより鼻は人間にとって大事な働きをしています。

  • ・鼻が悪いと耳が悪くなります。
  • ・鼻が悪いとのどが悪くなります。
  • ・鼻が悪いと目が悪くなることがあります。
  • ・鼻が悪いと頭の働きも悪くなります。
  • ・鼻が悪いと身体の調子が悪くなることがあります。
  • ・鼻が悪いとご飯がおいしくなくなります。

鼻の調子が悪くてもすぐに命に別状があるようなことはないので、なんとなくそのままにしておきがちですが、実はいろいろなところに支障がでてきます。特に成長期にある子供さんにとっては鼻は大事な器官です。鼻の具合が悪いと集中力が散漫になり勉強も楽しくなくなります。

子供さんだけでなく大人にとっても、鼻をいつも調子のよい状態にしておくことは、あなたの身体全体の健康を保つためにも必要なことなのです。

たかが”鼻”と片付けないで、鼻の調子が悪いと感じたら早めに耳鼻咽喉科に診てもらうようにしましょう。

いびきの話

自分では気がつかないからよけい気になるのがいびき。寝ているときに空気のとおる道が狭くなるために起こります。専門用語でいうと前口蓋弓から口蓋垂の部分が寝ているときの呼吸で振動するためということです。舌が落ち込んだり鼻づまりがあってもいびきをかきます。

大人のいびきの半分くらいは肥満が原因です。治療は体重を減らすことと禁煙。鼻に病気がある場合もありますから、気になったら耳鼻咽喉科の専門医に相談してください。治療すれば治ります。子どもさんのいびきは口蓋扁桃やアデノイドによるものが多く、それらも治療すれば大丈夫です。疲れたときにかくいびきもあります。

プール前健診

そろそろプールの季節、その前に学校ではプール前の検診が行われます。この時期の検診は主に耳鼻咽喉科の検診になります。

耳に関しては中耳炎、外耳炎のチェックをします。また、耳垢があると鼓膜が見えず診断がつかないので、耳垢の有無も見ます。

鼻に関しては副鼻腔炎があります。これは、慢性のものは蓄膿症になります。アレルギー性鼻炎は鼻がつまったり鼻汁がのどに流れ、時によっては咳を誘発することがあります。こうした人は風邪をひくと黄色い鼻汁が出て急性の副鼻腔炎になりやすいと言えましょう。小学生では軽度を含めて4割程度、中学生では2割にアレルギー性鼻炎が見られます。

健康診断では程度のひどい人しか指摘されませんが、耳に関しては耳垢があって鼓膜が見えないと「耳垢」と診断されます。

水泳をするとプールの消毒に使われる漂白剤のために、場合によっては副鼻腔炎になる子供さんがいます。また、めったにないことですが、慢性中耳炎の人で鼓膜に穴があったりすると耳だれが出たりめまいがあったりする場合があります。

のどに関しては、以前は扁桃が大きいというだけで扁桃肥大と診断されましたが、現在ではこのような診断は少なくなっています。

何かおかしいと思ったら健康診断をした先生のところでチェックをしてもらってください。そのような場合は再診扱いになるので初診料は取られません。

気になるところは早めに治療を受け、子どもさんに楽しい夏を迎えさせてあげるようにしましょう。

耳掻きの話

耳垢は耳の中から分泌した皮脂の変化したものです。普通なら自然に外に排出されるようになっているので、特別な耳掻きは必要ありませんが、気になる方は1週間に一度くらい綿棒でそっとくるりとふき取るようにしてください。竹製の耳掻きなどで奥のほうまでかきとるのは、耳を傷つけるもとなので、注意しましょう。

なお、小さな子供のいるところでの耳掻きはやめましょう。ぶつかって来たりするので危ないですし、まねをしたりして危険です。耳掻きはお風呂上りに一人でこっそり、秘密のお楽しみ?!

耳鼻咽喉科のお医者さんのしるし

小さな穴のあいた小さな鏡を頭につけているのが耳鼻咽喉科のお医者さん。子供さんはお医者さんといったらみんな聴診器を持ってこの鏡を頭につけていると思うでしょうが、実はこれは耳鼻咽喉科の専売特許(?)、私たち耳鼻咽喉科医の必需品です。この鏡で光を集めて、耳、鼻、喉の奥を照らします。耳も鼻も喉もみんな外からは見えにくく奥が暗いから、よく看るためには明るくしてやらなければならないのです。この鏡の名前は「額帯鏡」、鏡の直径は8.2cmと9.2cmの2種類があります。自分で使いやすいように、いろいろ工夫している人もいます。私?それは企業秘密!